ハウストレーニング
イヌがハウスを安心できる自分の居場所と思い、また、飼い主のコマンド(指示)でハウスにはいり、大人しくしていられたら、イヌと人間の双方にとって良いことがたくさんあります。(来客、外出時など)。
狭いところに閉じこめられてかわいそう、というのは人間の感覚です。イヌは狭くて、暗くて、四方を囲まれた洞窟のような場所が大好き!
逆に家のなかで常に自由にさせていると、イヌは自分の行動範囲をすべて縄張りと感じ、縄張りを守るために常に緊張をしいられてしまいます。
“ハウスにはいること=閉じ込められる→イヤなこと”こんな図式がイヌの頭の中にできてしまわないようにトレーニングしましょう。
ハウスはイヌの大きさ、性格、家庭環境に合うものを選んで構いませんが、お勧めは小中型犬ならクレート(プラスチック製で周りが囲まれているもの)、大型犬なら布で覆ったケージです。大きさはイヌが伏せをして足を伸ばせるくらい(大きすぎてもダメ)、高さは立ったときに耳がつくらいが適当です。
トレーニング方法
- ご飯やオヤツを使って、「クレートはいいところ」と思わせ、中にはいることに慣れさせる
- クレートの入り口にゴハンをおく。
- ゴハンを入り口に置いたまま扉を閉める(ゴハンを食べたいという気持ちを高めるためにじらす)。
- 扉を開けて「ハウス」と言いながら、イヌの身体が完全にはいるように食器をハウスの奥までおしこむ。
- イヌが中に入って食事を始めたら扉を閉める。食べている間は扉を閉めておく。
- 食べ終わったらすぐに扉を開ける。
* 以降も同じですが、イヌがクレートからでてきた時は声をかけないで下さい。出てくることがいいことと誤解させてしまいます。
- オヤツを使ってクレートの中に長い時間いられるようにする
- クレートの前でイヌにオヤツを見せて注意をひく。
- オヤツをクレートの中に投げ入れ、クレートを指しながら「ハウス」という(全身がはいるように奥に投げ入れること)。
- 入ったら「イイコ」とほめる(食べたらすぐでてきてしまってもよい)。
- 中にはいっているうちに、クレートの奥の横の穴からオヤツを入れ続ける(あげるのをやめると出てくるかもしれないがそれでもよい)。
- 最初のオヤツをあげたら、クレートの扉を閉めてオヤツをあげる。
- オヤツを投入する間隔を3秒、5秒、10秒と徐々に長くしていき、オヤツを与えるのを止めてしばらくクレ ートの中に入れたままにしておく。
- 「ハウス」という指示が、クレートに入ることだと覚えさせる
- クレートを指し「ハウス」という。
- 入ったら扉をしめて、オヤツをあげる→ 扉が閉まるといいことがあると思わせる。
ワンポイント
- イヌが見ていない時にクレートの中にオヤツをいれておきます。オヤツを発見した経験がクレートを好きにします。
- 扉を閉めてクレートの中にいるトレーニング中に吠えても無視をすること。だすのは必ず吠え止んでからです。(吠えさえないためにも最初は短い時間から無理なくトレーニングしていきましょう)他のことについても同じです。 要求して吠えている時に要求を叶えるのは、「吠えれば思い通りになる」とイヌに教えることですからご用心を!