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猫の繁殖と仔猫 Breed of Cat

猫の繁殖と仔猫

猫の繁殖にまつわる話をいくつかまとめてみました。

発情・妊娠

オス猫に特定の発情期はなく、発情したメス猫に反応します。
メス猫の発情期は日照時間に影響をうけます。本来は陽の長い2~9月に発情期を迎えることが多いでのですが、光にあふれた現代社会に暮らす猫ではこの季節があいまいになってきています。
猫は交尾排卵動物といって交尾の刺激によって排卵しますので、犬のような自然排卵動物より受精の確率が格段に高くなります。
妊娠期間は主に環境に左右されます。平均63日くらいですが最善の環境下では67日ともいわれています。見た目にもお腹がふくらみ妊娠がわかるのは4~6週目くらいです。交配がわかっていればエコーやレントゲンの検査をうけるのが安心です。
猫は多産という俗説がありますが、交尾により排卵される卵子は平均4個でそのうち85%が受精するといわれていますから平均出産等数は3匹ということになります。多産ではありませんね(中には10匹くらいの子供を産む肝っ玉母ちゃんもいます)。
違うオス猫の子供を産むことがあるかというご質問を受けます。あり得ることですが交配可能な期間が長い犬などにくらべるとその確率は低いです。

仔猫を育てる

「イクニャン」という言葉を耳にしました。育児ならぬ育猫で、仔猫を人の手で育てることです。

もし赤ちゃん猫がお家にきたら・・・
仔猫のライフステージは、新生猫 0-2週齢、乳猫 2-6週齢、幼猫 6-12週齢とわけます。死亡率の高い危険な時期は出生から1週間、1ヵ月齢前後、離乳期です。無事に離乳ができれば一安心と言ったところでしょうか。
仔猫の生活の基本は、授乳、排泄、保温、体重測定です。
生後1週齢までは2~4時間ごと、以降離乳するまでは4~6時間ごとに子猫用ミルクを与えます。
2週齢までは最低でも1日に2回は体重を測ります。体重が増加していないようなら授乳の回数を増やす、ミルクの濃さを調整するなどの配慮が必要です。
以後、離乳するまでも1日に1回以上は体重測定をして体重の増加を確認する必要があります。
3週齢目くらいまでは自力で排泄することができず、母親が陰部を舐めて排泄を促します。人間が育てる場合は温水で湿らせたコットンなどで刺激します。排泄がうまくできていないとミルクの飲みも悪くなります。
子猫に寒さは厳禁です。0~1週齢は32~34℃、1~2週齢は27~29℃、2~3週齢は24~27℃が適温です。
生後4週齢ぐらいになったらいよいよ離乳スタートです。ミルクと併用して離乳食を与えてみます。自分から食べないようなら離乳食を上あごに塗り付けるようにします。中にはミルク派で離乳に手こずる子もいますので根気よく。
次はふやかしたドライフードを離乳食に混ぜて与えます。徐々に離乳食、ドライフードの水分を減らし6~9週齢でドライフードに切り替えられるようにします。そろそろ幼稚園に行く時期ですから。

不妊手術

オスで精巣、メスで卵巣または卵巣と子宮を摘出する手術です。
メリットは望まない妊娠をなくすこと、いくつかの病気を予防すること、性ホルモンに関わる問題行動を減らすことです。
デメリットは太りやすくなる子が多いです。全身麻酔下での手術になりますのでそれに伴うリスクがあります。不妊手術に関する考え方は皆様それぞれかと思います。
私は繁殖の予定がない限り不妊手術はするべきと思います。自然に反すると思われる方もおありでしょうが、現代社会の家猫として暮らすかぎり、自由恋愛は許されません。
各種病気の予防はもちろんですが、発情期にパートナーを求めても巡り合える可能性がないのが悲しく思えます。

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