ボディーケア
日常の身体のお手入れは、健康維持はもちろん、病気の早期発見、絆を深める、しつけの強化等、良い効果がたくさんあります。
是非、小さい頃から習慣づけて行って下さい。
イヌやネコにとって、嫌な時間にならないようにすることが肝心です。
けれど、口を開けられたり、肢をもたれたり、じっとしていることを要求されてたり・・楽しくないことも事実です。
無理をせずに少しずつ慣らし、良い子にしていたら、褒めたり、ご褒美をあげたりして飼い主さんとの楽しいコミュニュケーションのひと時となるようにしましょう。
●ブラッシング
汚れやほこり、抜け毛を取り除いて、被毛を清潔に保ちます。また、マッサージ効果で、皮膚の血行を促進し新陳代謝をうながします。
できれば毎日の習慣として下さい。用具は毛質や毛の長さにあったものを選びましょう。(詳しいことはスタッフにお尋ね下さい)
嫌がるようなら、最初はコームの柄、ブラシの裏側をあて、感触に慣れさせ、少しずつ動かすようにします。
たまに、蒸しタオル→乾いたタオルで全身を拭いてあげるのもよいでしょう。
ウォータレスシャンプーを使用するのであれば、良質のものを選んで下さい。
*ブラシの種類 - ●スリッカーブラシ:全犬種用。抜け毛、もつれ毛、毛玉に使用 ●ピンブラシ:長毛の全身ブラッシング、仕上げ用
●ラバーブラシ:短毛種の抜け毛や汚れ取りに使用 ●獣毛ブラシ:ツヤ出し
●シャンプー
基本的には月に1~2回、動物用シャンプーを使用して下さい。シャンプーの回数、シャンプーの種類、仕上げ剤は合ったものを使用しないと逆効果になってしまうことがあります。
皮膚・被毛がちょっと気になる子はご相談下さい。ネコはイヌほどシャンプーを必要としません。(それに、多くの場合、ネコのシャンプーは飼い主・ネコの双方にとって難行苦行?です)。
セルフグルーミング(ザラザラの舌で毛づくろい)をするためですが、この時、大量の抜け毛を飲み込んで、吐いたり、胃に毛球をつくってしまったりすることがあります。
ブラッシングはまめに行いましょう。
ブラッシング(毛玉があれば必ずといてから)のあと、足→お尻→背中と徐々にぬらす。
シャンプー剤をつけ、爪を立てないように注意しながら、指先で皮膚をマッサージするように洗う。
頭から順に充分にすすぐ(必要であれば仕上げ剤を使用)
全身を包み込むようにしてタオルドライしたあとドライヤーで乾かす。
●爪切り
人間と同じで、ピンクの部分は神経や血管が通っていますから、白い部分を動物用の爪切りで切ります。
赤ちゃんの小さい爪には人間用のものが使いやすいと思います。
イヌ:一度に深く切らないで、角度を変えながら、血管の手前まで少しずつ丸く切っていきます。
黒い爪の場合は、爪の中心が透き通ってきたら、そこからは少しずつ注意しながら切ります。
“狼爪”がある子は、特に伸びすぎに注意しましょう。(狼爪=人間の親指の爪にあたります。地面にふれないため磨耗しません)
ネコ:カギ状に曲がった部分には血管が分布していませんから、曲がった部分の直前で切るようにします。
●耳のケア
1日1回~週1回、少し湿らせたコットンか、必要があれば耳用ローションで見える範囲を拭きます。原則的に綿棒は使いません。
犬種によっては耳の中の毛を抜きます。
耳の汚れ方はとても個体差がありますが、手入れをしてもすぐ汚れてしまうようだと、外耳炎等の心配があります。そんなときはご相談下さい。
●眼のケア
目ヤニ、涙で汚れるようなら、湿らせたコットンで拭きます。毛が眼に入って、目を刺激していないか注意してあげましょう。
●歯
私達と同じく、歯周病は肥満の次に多い疾患であると言われています。小さいうちから、歯磨きを習慣づけ、予防に努めましょう。
そして、ある程度の年齢になったら、定期的なチェックと、必要であれば、超音波スケーラーによる歯石の除去を行います。
歯磨きは次のようにして、徐々にならしていきます。
指で唇の内側、歯、歯肉をさわる → ガーゼ、または動物用歯ブラシ(人間の赤ちゃん用でも代用できます)で歯を磨き、歯肉をマッサージする
(嫌がるようなら、最初、指やガーゼに少量のミルク等をつけてみる)
美味しい?ペット専用の歯磨き粉も市販されています。また、液体タイプのオーラルケア用品もあります。
口腔に数滴垂らすか、スプレーすればよいので、直接みがくより効果は少ないですが気軽に利用できます(毎日、続けることが肝心です)。
歯石予防効果をうたったフード、おもちゃ、ガムを補助的に利用するのもよいでしょう。
(家庭にあるタオルを結んで、おもちゃとして与えるのもよいです。 タオルをオヤツ代わりにしてしまう子は無理ですが・・)
●肛門腺
肛門の両側に“肛門嚢”という袋があります。なかには液体~ペースト状のとても臭い分泌物が溜まります。
通常は排便の際にウンチと一緒に排泄されますが、なかには人間が絞り出してあげなければいけない子もいます。
頻繁におしりを舐めたり、地面にこすりつけたりしたら要注意です。お家でも絞ることができますが、ちょっとしたコツが必要です。
言葉で説明するのが難しいので、無理かな、と思ったらご来院下さい。
●その他 ボディーケアではありませんが -
・錠剤の飲ませ方
片手で上顎、頭(ネコ)を保定し、空いている手で口を開け、なるべく口の奥に薬をいれる。
すぐに口を閉じ、顔を上向きにして喉をさすってあげる。
どうしても嫌がる時は、いくつかの方法がありますが、なるべく、正統派のやり方で薬を飲ませられるように練習して下さい。
ただし、無理は禁物です。あまり嫌がるようならご相談下さい。
・目薬の差し方
片手で鼻先、頭(ネコ・短頭種のイヌ)を固定し、顔をやや上向きにして、空いている手でまぶたを上に引き点眼する。
目薬の容器が見えないように後からもっていく。容器の先端が眼に触れないように注意。
・体温の測り方
人間用の体温計でOKですが、脇の下ではなく、肛門内に体温計の温感部分を差し込んで測ります。
38℃~39℃が平熱です。